きみに触れられない
「だ、大丈夫じゃないかも」
顔をあげれば「ミサ、顔赤いね」と綾芽ちゃんは可笑しそうに笑った。
「わ、笑わないでよ!」
けれど綾芽ちゃんは「面白いよ。可愛い!ミサ、純粋!」と訳の分からない話を始めた。
余計恥ずかしくなってさらに顔を赤くして、何を言ったらいいのか分からなくなって黙り込む。
そんな時だった。
「そんなに気にすることじゃない」とカナが言ったのだ。
「声が裏返るなんて誰でもすることだから、気にしなくていい」
カナがくれたのは、人をバカにしたような笑顔ではなく、穏やかで優しい微笑みだった。
「でも、珍しいな。米山さんの声が裏返るなんて」
カナは続けて言った。
「米山さん、疲れてるんじゃないか?」
すると綾芽ちゃんが「そういえば、目の下にクマができてるよ」と覗き込んだ。
「え、そうなの?」
咄嗟に目元を抑えてみるけれど、自分では変化が何も分からない。
カナと綾芽ちゃんは2人して頷いていた。
「結構すごいよ。昨日寝なかったの?」
彩芽ちゃんの問いかけの本当の理由はカナがいるから言えない。
「あ、うん」
私は頷いた。
「また勉強か?」
カナがため息混じりにそう言った。
「そうだけど」
私は少しムッとしながら答えた。
確かにあの後勉強していた。
けれど勉強している間にカナやハルのことが次々に思い出されて、勉強が集中できなくなって、寝ようと思っても眠れなかった。
顔をあげれば「ミサ、顔赤いね」と綾芽ちゃんは可笑しそうに笑った。
「わ、笑わないでよ!」
けれど綾芽ちゃんは「面白いよ。可愛い!ミサ、純粋!」と訳の分からない話を始めた。
余計恥ずかしくなってさらに顔を赤くして、何を言ったらいいのか分からなくなって黙り込む。
そんな時だった。
「そんなに気にすることじゃない」とカナが言ったのだ。
「声が裏返るなんて誰でもすることだから、気にしなくていい」
カナがくれたのは、人をバカにしたような笑顔ではなく、穏やかで優しい微笑みだった。
「でも、珍しいな。米山さんの声が裏返るなんて」
カナは続けて言った。
「米山さん、疲れてるんじゃないか?」
すると綾芽ちゃんが「そういえば、目の下にクマができてるよ」と覗き込んだ。
「え、そうなの?」
咄嗟に目元を抑えてみるけれど、自分では変化が何も分からない。
カナと綾芽ちゃんは2人して頷いていた。
「結構すごいよ。昨日寝なかったの?」
彩芽ちゃんの問いかけの本当の理由はカナがいるから言えない。
「あ、うん」
私は頷いた。
「また勉強か?」
カナがため息混じりにそう言った。
「そうだけど」
私は少しムッとしながら答えた。
確かにあの後勉強していた。
けれど勉強している間にカナやハルのことが次々に思い出されて、勉強が集中できなくなって、寝ようと思っても眠れなかった。