きみに触れられない
「誰が何を思うのかなんて気にすることじゃない。どうでもいい。

大事なのは、みーちゃんが何をやりたいのか、だよ。

みーちゃんがこれからどうやって生きていくのか、考えることが大事なんだよ」


「そんな綺麗事を言わないでよ!」


ハルに対して怒りがわく。

ハルは何も悪くない。

悪いことなんて何もしていないし、危害も加えれたわけじゃない。

それなのに、こんなに、こんなに、イライラしてしまう。


「分からないのに言わないでよ!

分かるはずもないのに言わないでよ!」


呆然としていたハルは突然ハッとした表情をした。


「みーちゃん…?泣いてるの…?」


「泣いてない!」


嘘を吐いた。信じたくなかったから。


泣いてない。泣いてなんかない。

それなのになんでか涙が溢れてきて。

自分でも、何の涙なのか分からない。


私はハルに背を向けた。


「みーちゃん?みーちゃん、待ってよ!」


もうこれ以上、ハルのそばにはいられない。

私は屋上を後にした。
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