同期♂と私、ときどき熊♂
またしても熊
翌日。
休みだった鹿目は、昼前まで寝ていた。
ベッドにはクマオを寝かせ、仕方なく自分は床で毛布に
くるまって寝ていたが、いつも朝になるとベッドで横になり、
後ろにクマオがしがみついていた。
激しくインターホンが鳴る音と、ドンドンドン!!と、
ドアを叩く音に起こされた。
「はい…」
寝ぼけ眼でドアを開けると、若い女が上がり込んできた。
「クマオ!!」
「……あん…?」
寝ぼけていたクマオが、
ガバッ!!と飛び起きる。
「お前…なんで…?!?」
「帰るで!!」
腕を引きずり上げ、ベッドから起こす。
「……あの、…どちら様…?」
突然押し掛けたおそらく彼女らしい女。
クマオと同じくらいか。
腰までありそうな癖っ毛を後ろで束ね、化粧っ毛はないが、
目鼻立ちのはっきりした、可愛い顔立ちだ。
スタイルもよく、その辺の雑誌のモデルでもしていそうな美少女だ。
一応ニットのワンピースらしいものを着ていた。
山から下りて、適当な民家で洗濯物を奪ってきたような格好だ。
「クマコ……」
「はい???」
クマオの口から出た名前で、すべてを察した鹿目。