同期♂と私、ときどき熊♂
鹿目はといえば、150㎝の華奢なチビ。
さらさらなショートヘアのよく似合う、デカ眼鏡の、どこにでもいそうな30歳。
童顔で、年齢不詳ではあったが、可愛い顔立ちだ。
高卒後、何ヵ所かの転職を経て、今に至る。
ことの起こりは数日前のことだった。
同じく中途入社組の、今年20歳になったという、小西小絵(コニシ サエ)に誘われて、
研修前の休日、近場の山に登ることになった。
会社で用意してくれた単身寮で隣の部屋になったのだ。
専用の寮ではなく、一般の入居者もいる、全部で20部屋ほどの
小規模のワンルームマンションだ。
背丈は普通でどちらかといえば痩せ型の小絵。顔立ちも可愛く、
ナチュラルなロングヘアで、むしろ洋服屋か図書館にでもいそうな、
どことなくほんわかとした彼女は、レジャー施設の従業員は不釣り合いな気はした。
表向きは、面接で、こういう場所が好きだから、と言ったそうだが、
やはり楽そうだから、というのが本音だったらしい。
たまに趣味でハイキング程度に登るということで、自然の多さに刺激されたようだ。
「あっちに何かあるよ」
と、