同期♂と私、ときどき熊♂

部屋に帰ると、まだクマオがぐずっていた。


「俺は帰らへんからな」


「そうそう。仲間から聞いてんけど」


「なんや」


面倒臭そうに、


「茄子の花って、熊が食べ過ぎると毒になって、寿命縮むらしいで。3つも食べたら、もうあかんて」


「マジか!?」


知らなかったらしい。


と、


焦って鹿目にすがり付く。


「困る困る困る!!そんなん困る!!嫌や!!なあ~もう!!ほんじゃあすぐにでも一緒に行こ!!」


「そんなの無理!!っていうか絶対無理!!山で暮らすってこと

でしょう??しかも野生の熊の奥さんとして??あり得ない!!」


普通に考えれば、頭のおかしい人だろう。


インターホンが鳴った。


「悪いが、ここで呑ましてもらうぞ。今日は」


「はい?」


仕事上がりの彪賀が、半分呑んだ勢いでやって来た。
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