同期♂と私、ときどき熊♂
「熊だぁ???」
こくん、と頷く鹿目。
そういえば、まだ彪賀には話してなかったと思い出し、
噛みついた訳を話す。
「だから、人間がどうのとか、訳のわからんことを口走ったのか」
すっかり酔いが冷めた彪賀。酔ってはいたが覚えてはいるらしい。
一応持っていた救急箱で、彪賀の腕の怪我を手当てし包帯を巻いた。
「しかもイケメンじゃねえか。熊の癖しやがって。っていうか本当の話かそれは。
酔ってると思って、適当なこと言ってんじゃねえだろうな?もう冷めてるぞ」
そう簡単に信じられる話ではない。
「…ごめんなさい…」
うな垂れた姿に、
うっ、となる。
頭を掻くと、
「……わかった、信じるよ。謝るな」
「私が調子に乗って、からかったから、こんなことに」
「そう思うんなら、責任取って今度こそ、飯付き合え」
「それは…」
「四の五の言うな」
クマオはベランダで閉め出しの刑にされていた。
「…クマオの気持ち、わからなくはないですけどね。私も好きなんで、昔から」
切なそうに、クマコも窓越しにクマオを見ながら呟く。
「そろそろ、時間が来てるかもしれません」
人間の体に疲れたようだ。
体育座りして、うな垂れるクマオ。