同期♂と私、ときどき熊♂
「そうだ、イベントの案、ペアで組んでの参加型っていうのどうでしょう?」
「ぺあ??」
「そうです!マイボールのお客様を対象に、スタッフがペアで応戦するんです」
「それ、面白いかも」
「でしょう??マイボウラーも、男女関係なくペアにして。優秀者には景品出して。いいと思いません?」
ボウリング場にあるのは、
ハウスボールとハウスシューズといって、ボールは自分の
指のサイズと持ちやすさを基準に、自由に重さも選べる。
シューズも専用で、共通して土足禁止だ。
マイシューズになると、最後に踏み込む効き足で、靴の裏面の生地の滑りが違うようにできている。
ハウスシューズは、一般的にどちらでも使えるように、両足裏とも同じ生地でできている。
ボールは、ピンキリだが比較的高価なものだ。
靴は、普通のブランドのスニーカーとさほど変わりなく、よくする人は
借りるより専用を買う方がお得だし何より清潔だ。
中でその都度、スプレーで消臭しても限界がある。
「それ、書面にして、提出できる?」
「あっ、やってみます!」
「じゃあ、安在さんと彪賀さんで組ませたらいいんじゃないですか??」
「はい??」
「おいおい、安在は他部署だぞ」
「固いこと言わない。アミューズメント。娯楽のイベントなんですから」
確かに腕に覚えのある人間はあまりいなかった。
腕はあっても上の者は忙しく、現場には滅多に出てこられない。
何かトラブルがあって現場で収まらないときくらいだ。
大抵、あくまで仕事で、スコアの付け方すら知らない者もいた。