同期♂と私、ときどき熊♂

できた当初は手書きで紙のスコアシートに記入していたらしい。


ストライクやスペアのマークも計算も、全て。


なので昔からしている者、近場にあってよく利用する者は


知っていたが、知らない者はそれすらも知らなかった。


今は機械で勝手に計算してくれ、画面に出るので楽なものだ。


それすらも、できた当初は画期的だった。


彪賀は機械にも強く、ボウリング自体もそれなりに経験があった。どこかから引き抜かれたという噂も聞いた。


鹿目はそうでもなかったが、腕は持っていた。


「じゃあ、それで案、出してみますので。採用されたら、お2人様、ご協力お願いします」


顔を見合わせる。


「参ったな」


頭を掻くが、嬉しそうな彪賀。


結局、ひと月経ったが、他に面白そうな案もなく、あっさり通った。


その次の休みから、練習することになった。
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