同期♂と私、ときどき熊♂
もやもや
数日後。
休みだった彪賀が、昼過ぎ、初めてゲームセンターに顔を出した。
駐車場に車を止め、店の扉を開けたとき、中ほどのクレーンゲームで、鹿目が屈んで何かを探していた。
見つけたそれを若い男に渡す。どうやら小銭を落としたらしい。よくあることだった。
常連客らしく、しかも背が高く、爽やかなイケメンだ。
なにか親しげに話している。
いつの間にか眼鏡がコンタクトレンズになっていた鹿目。心なしか髪の色も明るくなった気がした。
その横顔に、改めて釘付けになり、同時に、客の男に微かに嫉妬を覚え、眉間に皺を寄せる彪賀。
「みっちー??」
声に振り向くと、髪の長い、綺麗な女性が小走りで近付いてきた。
30歳くらいか。大きく胸元の開いたVネックのセーターに、スキニーデニムだ。
「やっぱり!みっちーだ!!」
「みっちー??」
思わず鹿目も声のした方を見る。
「彪賀さん…?」