同期♂と私、ときどき熊♂


「盲腸??」


鹿目に呆れられ、病院のベッドで赤くなる彪賀。


「そういや、まだだった…情けねえ。胃だとばっかり」


別の意味で落ち込む。


「この際だから、ゆっくり休んでくださいよ」


「…見舞い…来てくれんのか」


ぼそっと。


「甘えないでください。盲腸くらいで。忙しいんですから、私も。

イベントの結果POPだって作らなきゃいけないし、報告書だって

作らなきゃいけないし」


大会が終われば終わり、というものではない。

社員は、一連の流れをまとめ、写真付きで結果発表のために

貼り出し、他の一般客や、マイボウラーすべての客対象に、

こんなイベントしてますよアピールをし、

次に繋げること。そしてもちろん本社にも報告するまでが

仕事だった。結局すべてイベント担当の仕事だ。


改めて、来た客も自分のハイスコアで表彰された腕を、写真付きで公表されれば嬉しい。


「…そうか、そうだよな…その程度だろうしな、俺なんて」


がっくりと肩を落とす彪賀。


「…冗談ですよ。もう!ちゃんと時間見つけて様子見に来ますから」


本当に世話の焼ける人だ、と。

< 48 / 80 >

この作品をシェア

pagetop