同期♂と私、ときどき熊♂
「盲腸??」
鹿目に呆れられ、病院のベッドで赤くなる彪賀。
「そういや、まだだった…情けねえ。胃だとばっかり」
別の意味で落ち込む。
「この際だから、ゆっくり休んでくださいよ」
「…見舞い…来てくれんのか」
ぼそっと。
「甘えないでください。盲腸くらいで。忙しいんですから、私も。
イベントの結果POPだって作らなきゃいけないし、報告書だって
作らなきゃいけないし」
大会が終われば終わり、というものではない。
社員は、一連の流れをまとめ、写真付きで結果発表のために
貼り出し、他の一般客や、マイボウラーすべての客対象に、
こんなイベントしてますよアピールをし、
次に繋げること。そしてもちろん本社にも報告するまでが
仕事だった。結局すべてイベント担当の仕事だ。
改めて、来た客も自分のハイスコアで表彰された腕を、写真付きで公表されれば嬉しい。
「…そうか、そうだよな…その程度だろうしな、俺なんて」
がっくりと肩を落とす彪賀。
「…冗談ですよ。もう!ちゃんと時間見つけて様子見に来ますから」
本当に世話の焼ける人だ、と。