同期♂と私、ときどき熊♂
嫉妬と不安
「顔色、悪いですよ?」
「…なんでもねえよ」
ゲームセンターの休憩室で鹿目と2人。休みだった彪賀が、また来ていた。
夢のせいだとか、会いたかったからとか、
口が裂けても言えなかった。
「新しく、メカの人、バイトで入れたそうですね」
ぴくり、と反応する。
「イケメンらしいですね」
ムッとする。
「今度の休み、見に行っちゃおうかな」
「来なくていい」
想像通り、不機嫌になる。
「冗談ですよ。盲腸は、もう大丈夫なんですか?」
「……その、なんだ」
「はい?」
「ちゃんと、その、へ、返事を、くれねえか」
赤くなる彪賀。
「ああ~」
「ああって、何だよ」
「その返事はまた今度」
はぐらかす。
「何でだよ」
苛立つ彪賀。
「戻りますね、仕事中なんで」
と、
立ち上がりかけた腕を掴んだ彪賀。
「待てねえよ」
「鹿目さん、景品入荷しました。確認お願いします」
「あっ、はい。すぐ行きます」
ちっ、と舌打ちする。
確かに、いつもと様子が違うことに気付いてはいた鹿目。