同期♂と私、ときどき熊♂

「はっ??」


「45歳、おめでとうございます」


うっ、となる。


「なんで、いや、なんで年まで知って…」


とくに誰にも言った覚えはなかった。


「歓迎会のとき、免許証、落としたの拾って」


「そんなに前からか?!っていうか、覚えてくれてたのか!?」


あれから半年近くは過ぎていた。第一、もう自分の誕生日なんて覚えていなかった。


感激のあまり、言葉も出ない。


「…安在…」


思わず抱き締めた。


「……彪賀に、なる気、ないか」


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