同期♂と私、ときどき熊♂

「やっぱり、やめてもいいですか?」


翌日、


休みだった鹿目の部屋に、彪賀が迎えに来た。

そのまま車で彪賀の部屋に向かう。


「やめるって、何を」


「彪賀さんを」


うっ、となり、急ブレーキを踏みかける。


「なん?!い、いいわけねえだろ!諦めろ!手遅れだ!」


さすがに、威嚇しすぎたか、と焦る彪賀。


「……お、俺は、女に優しくなんて、出来ねえからな…悪かったよ…」


運転しながら、頭をぽんぽんと叩く。


部屋に着くと、知っている顔があった。


「えっ…?」


用品を仕入れ担当している野上だった。


「息子がお世話になって」


「えっ??だって、名前…」


「いろいろあってな」


「彼女と結婚前提に付き合うから。お袋にも言っといてくれ」


はあ…と、なる鹿目。


母方の名字が彪賀で、海外にいるそうだ。


仕事の都合上、別姓らしい。

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