同期♂と私、ときどき熊♂
「デートだあ?!」
仕事を終えた彪賀がゲームセンターで。
思わず大きな声が出て、口を押さえる彪賀。
大会前とあって、いつにもまして、ゲーマー達が皆ゲームに集中しているので、じろりと睨まれる。
「…お前、まさか引き受けたんじゃねえだろうな…?!」
「…仕方ないじゃないですか。断れる状況じゃなかったし」
声を抑える2人。
まだ、顔が見られないのに、押し掛ける彪賀。
ちっ、と舌打ちすると、
「他の男とデートなんて、あり得ねえ…断れねえのか今からでも」
「…妬いてるんですか??」
うっ、となる。
「そ、そりゃあ、お前」
赤くなる。
「状況わかってんだろうがよ」
親に紹介した手前、百歩譲って例え仕事でも、彼女と他の男との
デートを、指をくわえて見ていられるわけがない。
やきもきする。
万が一、そのまま付き合うなんてことにもなりかねない。
せっかくここまで来れたのに。