同期♂と私、ときどき熊♂

「彪賀さん?大丈夫ですか??」


メカ裏で。


作業で持っていたスパナを落とし、熊谷にまで心配され始める。


2日置きに、また別バージョンの悪夢にうなされ始めた彪賀。


またデジャヴが。


「あいつは、なんであんなにモテるんだ」


不機嫌にぼそっと。


「そらやっぱ、可愛いっすからね」


あのときいたメンツにはもうバレている。隠す必要もない。


「男の焼きもち、気を付けた方がええですよ?嫌われます」


うっ、となる。


ここで鹿目にフラれたら、立ち直れないかもしれない。本当にメンタルが弱かった。



ああは言われたが、今日だけのつもりでこっそりと様子を見に行った彪賀。


中からオーっと野太い歓声が聞こえた。


中に入り、人混みを掻き分けて覗くと、仕事終わりの鹿目と葉月が練習がてらゲームしていた。


夕方から混み始めるので、遊び目的で人気のあるゲームを

スタッフが使うのは基本的には制限されている。


今回は、大会参加ということで1時間だけ大目に見てもらっていた。
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