同期♂と私、ときどき熊♂
「彪賀さんこそ、私なんかでいいんですか?本当に」
しおらしいことを言われ、ドキッとする。
「なな、何言ってんだ今更。お前こそ、後悔すんなよ?」
「もう後悔してますよ」
「はっ!?」
「……こんなに彪賀さんを好きになったこと。当たり前のようにいつもそばにいてくれて」
「…安在」
「かなめ、でもいいですか?尊さん」
うっ、となり、
耳まで真っ赤になる彪賀。
「か、可愛いじゃねえか…バカ野郎…」
頭から湯気が出そうだ。
「か、か、か、かな……いてっ」
声が裏返り、下も噛む。
「無理しないでくださいね」
くすくすと笑うその顔が、たまらなく愛おしくなる。
思わずそばに寄り、両手で頬を上げると、強く唇を重ねた。
時間が、止まった気がした。
「……かなめ…」
彪賀が囁く。
コンコン、と病室のドアがノックされ、看護師が様子を見に来た。
慌てて離れる。
「安在さん、具合は、いかがですか?痛いところはありませんか?」
「あっ、はい。もう随分いいです」
鹿目が答える。
「仲良いですね、お二人」
看護師が微笑む。
「人並みですね」
また、声が揃った。