同期♂と私、ときどき熊♂
後日、
ボウリング場で2人で闘い、もちろん圧勝した。
まさに赤子の手を捻るように。
鹿目がハウスボールを使うというハンデまで付けて。
しかも、鹿目自身、初のパーフェクトを叩き出した。
小絵も飛び上がって喜んだ。
珍しくフロアにいた彪賀とハイタッチする鹿目。
まさに弘法筆を選ばず、だった。
「…参りました…降参です」
がっくりと肩を落とす葉月。
「ご来場、有り難うございました!!」
彪賀が声を張る。
鹿目が葉月を撃沈させ、見合わせた2人のその表情は、満面の笑顔だった。
誰も見たことのない、心からの本当の笑顔だ。
「本当に仲いいんだ」
悔しそうな葉月に、
「人並みにね」
声が揃った。