同期♂と私、ときどき熊♂
「お前は、馬鹿か」
想像通り、翌日出勤早々、
後ろから頭をファイルで小突かれた鹿目。
彪賀だ。
「な、なんですか?」
「何ですかじゃねえ」
辺りを見渡し、声を抑える。
「……早速、男、連れ込んだらしいじゃねえか」
なんとなくふて腐れている。
やっぱりバレたか…。小絵め。と。
「しかもお前、知り合いですらもないらしいな」
「まあ、うーん。知り合い??顔見知り??」
「ふざけてる場合か。とっとと追い出さねえと、お前の立場が危ねえんだそ」
それはそうだ。
入社早々、単身寮に男を連れ込んで一緒に住んでます。となれば、
即効、クビか。信用問題だ。
「少しの間、2、3日ごまかせませんかね?なんとかしますんで」
「お、俺に言うなよ。……ってまさか」
「お願いします!」
顔の前で手を合わせ拝む鹿目。
「えーっ!?」
思わず声が大きくなり、慌てて押さえる彪賀。