モノクロの世界で









世間の狭さを思い知らされた衝撃の事実から一夜が明けた。

「あーおばちゃんっおっはよーぅ」

朝、教室に来た私を満面の笑みで迎えたのは津川さん。
その行動に眉を潜めたのはクラスの女の子達。

満面の笑みを向けたままの津川さんの横を挨拶を返さないまま通り過ぎ、自分の席に荷物を置く。



「ちょっと釧路さん何様ー?りえが折角声かけてやってんのにさー」
「つかりえ、やめなよーあの子自分の周りの人間殺しまくってんだからー」

殺しまくってないし。
でも怪我をするのは事実だから何とも言えない。噂に尾鰭が付くのは当然だから仕方ない。

津川さんは女の子達の反応におろおろしてんのかなぁと思い、少し顔を上げた。

「わたし頑丈だから大丈夫っ!」
満面の笑みで自信満々に答えている。

…『青羽ちゃんはそんなことしないよー!』とか否定はしないんだな、と思った。
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