モノクロの世界で
「…ま…待って待っていきなりじゃ二人もびっくりするんじゃ…」
「びっくりしないよーぉだって昨日言っておいたもんっ」
びっくりするんじゃないのか、と言いかけた私の言葉を制して津川さんがそう答えた。

……何で私には昨日言ってくれなかったのよ。

そう思いつつため息をついて、唐揚げを今度こそ口に入れた。そんな私の様子を津川さんはにこにこしながら見てくる。

―腹をくくるしか無いか。

初対面の人と話すの苦手なのに…まぁ一対一じゃないだけマシか。

そう自分に無理矢理言い聞かせ、唐揚げをお茶で流し込んだ。








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