モノクロの世界で
そう思ったはずなのに、どこかその言葉に救われた自分が居た。

もしかしたらずっと誰かにそう言って欲しかったのかも知れない。

産まれてきて良かったのだと。
望まれて産まれてきたのだと。
そう…思いたかったのかも知れない。
そう思わせて欲しかったのかも知れない。


甘えた考えだと我ながら思う。



「…馬鹿じゃないの」
自嘲気味に笑いながら津川さんの言葉にそう返した。

「青羽ちゃん…?」
頬に津川さんの温かい手の感触がした。

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