モノクロの世界で
抵抗への降参
「青羽ちゃんは部活もう決めた?」
教室移動の最中、津川さんがふと思い出したかのように尋ねてきた。
「…あー…多分入らない…面倒だし…」
どの部活に入っても人間関係はつきものだし、そんな面倒くさいの嫌。そう言葉を押し出すようにして言うと、津川さんは少し苦笑混じりに、でも少し嬉しそうに「そっか」とだけ答えた。
「…あんたは?」
「んっとねー陸上部かソフトボールかで迷ってるのー」
「運動部なのね…」
まぁ走るの早いしなぁなどとぼんやり考えながら歩く。すぐ横にはもう一つ分の足音がして。
桜の花も散り、深緑の季節。窓からふいてくる心地良い風に耳を澄ませていた。
教室移動の最中、津川さんがふと思い出したかのように尋ねてきた。
「…あー…多分入らない…面倒だし…」
どの部活に入っても人間関係はつきものだし、そんな面倒くさいの嫌。そう言葉を押し出すようにして言うと、津川さんは少し苦笑混じりに、でも少し嬉しそうに「そっか」とだけ答えた。
「…あんたは?」
「んっとねー陸上部かソフトボールかで迷ってるのー」
「運動部なのね…」
まぁ走るの早いしなぁなどとぼんやり考えながら歩く。すぐ横にはもう一つ分の足音がして。
桜の花も散り、深緑の季節。窓からふいてくる心地良い風に耳を澄ませていた。