その呪いを解くには王子様のキスが必要ですか?
「ただいま。」
家に帰ると、先に帰っていたお母さんが出迎えてくれた。

「おかえり。クラスの雰囲気はどうだった?…頑張れそう?」
不安そうに聞くお母さんに

「沙月と一緒のクラスだった。雰囲気は悪くなさそう。」
と答えると

安心したように笑って
「良かった…。よーし!今日はご馳走作るからね!」
と、キッチンに戻って行った。

私が表情を出せなくなって、イジメられるようになってから、お母さん達には心配や迷惑ばかりかけている。
仕事で入学式には参加出来なかったお父さんも、心配だったのか、しつこいくらいメールをくれていた。

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