初恋連鎖。
「これ…映画化するんです、か?」
「うん。……あ、口外禁止だよ?」
と言って唇に人差し指を当てる、羽田さんは物凄く様になっている。
「キャストは大方決まってて、もうすぐ公表するのね。撮影のクランクインももうすぐだから。」
すごい…。
「梶さんー、!」
「なあにー、羽田くん。」
「HPできたー?」
「完璧。」
羽田さんに、"梶さん"と呼ばれた女性は自信満々の笑みを浮かべた。
「うん、良いんじゃない??……じゃあ、原作者さんに確認して。」
「はーい。」
すごい…。
HPは、最近ほんとに簡単に作れるようになったと思う。
色んな本も出版されたし。
「……橘さんには、慣れてもらうためにまず梶さんと一緒に現場に行ってもらうよ?」
「はいっ、!」
私は、羽田さんに誘導され"デスク"に移動した。
「ここが、橘さんのデスクね。好きに使ってくれてかまわないから…。」