ファースト・キス
ー部活・休憩中ー


「ねぇ明。部活の後、カラオケ行かない?二人っきりで」


「いや、行かない。」


「なんで?」


「俺先約があるんだ。」


本当は先約なんてない。


かったりー。そんな事考えて歩いていたら、何かに当たった。


「きゃ!アイタタタ」


「悪い!よく前見てなかったから。」


「いえ!って明先輩?!」


「ん?秋じゃん。どうしてここに?」


「部活動見学しようとしたんです。中学の時、私バスケ部だったから、女子バスケ部入ろうと思ったんですが...」


「去年無くなったからな。女子バスケ。男子バスケならあるんだが。」


そう。女子バスケ部は去年、人数が少なくて無くなったのだ。美佳も居なくなったし…。


「そう言えば、先輩はなに部何ですか?」

その問い掛けに、少し戸惑ったが笑顔で答えた。

「バスケ部。」


「へっ?!先輩バスケ部何ですか?!」


「そっ。で、一応部長。」

彼女は目を輝かせて答える

「本当ですか!?凄い‼」


「そうでも無いぞ。あっ、秋、女子マネやんね?ウチ不足してんだよね。」

彼女は更に目を輝かせる

「やります‼マネージャー!」

その姿はやはり美佳に似ていた

俺は寂しさを抑えながら彼女に伝える

「じゃあ、入部届け出してきな。」

そう伝えると、彼女は笑い職員室の方へ走り抜けていった

「はい‼」


それにしても、秋がバスケやってたなんて知らなかったな。

女子マネ不足してたから、まじありがたいわ。


明は自然と笑顔になっていた。


明が自分の気持ちに気づくまで少し時間がかかりそうだ。
< 19 / 100 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop