ファースト・キス
―S高校入学式―


私は、友人たちと別れを告げて、新たな街に越してきた。


そして向かえた入学式では少し緊張気味だった。


具合が悪くなって保健室に行ったら、窓があいていて寒かったから閉めようとしたら、いきなり強い風が吹いた。


ベットの回りのカーテンが、バタバタと揺れてそのベットには誰か男の人が眠っていた。


窓を閉め、あいてしまったカーテンを閉じようとした瞬間、私は何かに引っ張られた。


「あんた誰?新入生?」


私を引っ張った正体は黒い髪に薄い茶色い瞳の男の子だった。凄いイケメン。私が見とれていると、


「あんたは誰かって聞いてんだけど?」

「えっ、あっ、1年A組中川秋です!」

「中川秋?あっそう。何で窓閉めたの?俺暑いから開けてたんだけど。」

「あっ、ごめんなさい‼その、寒かったし今日は風強いから、色々落ちるといけないと思って。」

「ふーん。」

薄い茶色の瞳が私の姿を捕らえる

私は耐えられず、顔を赤くなるのを感じた

「あっ、あの」

声をかけるとふっと小さく笑う声が聞こえた

えっ?今笑われた?

「えっと?」

もう一度問いかけると、黒髪の彼が大声で笑いだした

「あーもうダメだわ。あんた面白すぎ」

唐突な言葉に私は思わず頭にはてなマークを浮かべた。



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