ファースト・キス

恋人としての日常

ガヤガヤ


朝の駅は通勤ラッシュで混み合っていた。流されそうになりながら、私はやっとの事で、ホームにたどり着いた。


そこには、明先輩と翼君の姿があった。

私は明先輩を驚かせようとしてゆっくり近づいていっていたら、二人の話し声が聞こえて、思わず立ち止まった。


「兄貴。中川と付き合うことになったって?大翔が昨日すげー泣きついて来たぜ」


もー大翔のバカなんて事してんの⁈と思っていたら先輩が幸せそうな笑い顔をして、


「やっぱりな。大翔の奴さっき俺に泣きそうな顔していったんだ。《秋を諦めたわけじゃないからな‼︎秋を泣かせたら許さないからな‼︎》って。大翔の為にも、秋を苦しめた以上に幸せにしてやらなきゃな」と先輩は笑った。


ガタンゴトンガタンゴトン


電車が来て、私は先輩に気づかれる前に電車に乗り込んだ
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