ファースト・キス
ガラガラガラ。


教室のドアを開け自分の席に座ると隣の席の子が話かけてきた。


「ねぇねぇ、あなたがどこ中?私はA中。」


「あっ、私はN県のI中ってところから来たの。」


「えっ、N県?!かなり遠いね。どうしたの?引っ越し?」


「お父さんの転勤。あっ、えっと、自己紹介まだだったね。私、中川秋。秋って呼んで。」


「秋ね‼ok!私は谷口ルリ。ルリって呼んでね。」


「うん!ルリね。ok!あっ、HRが始めるみたい。」


斎藤先生が教卓の前にたち、黒板に名前を書いた。


「改めまして。斎藤龍生だ。一年間宜しくな。年は24。見た目より老けてるとよく言われる。」


ドッと笑いが起きる。


「はいはい。続けるぞ。血液型はB型で、誕生日は5月8日。ちなみに、彼女募集中だ。あと...「長いよ、龍生!」」

元気の良い男子生徒が勢いよくツッコミを入れた

そこで再び笑いが起きた

少ししてから、生徒の自己紹介が始まった

「S中から...」


どんどん自己紹介されて行くなかで、さっきの人に似てる人を見つけた。


「西城翼です。T中から来ました。家族は4人家族で、この学校にひとつ上の兄が通ってます。兄共々宜しくお願いします。」



「おっ、明の弟か。お前の兄貴の担任も去年させてもらった。お前の兄貴は元気だな~」


明ってあの、明先輩⁈


「先生の話は兄貴からよく聞いてました。先生が熱すぎてこっちが疲れが出そうです。」


「よし。後で明を占めに行こう‼」


ハハハと教室中に笑い声が響いた。
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