ファースト・キス
『父さんと母さんが死んだ?』

俺は信じられずに、秋の肩を揺らした

「なぁ、秋。それは、ちょっと冗談きついぜ。嘘だよな?どうせ、いつもみたいに、父さんと母さんが俺をからかってるだけだろ?な?怒らないから、言ってみろよ」

「本当なの‼︎こんな嘘つく訳無いじゃない‼︎」

俺は薄々感づいてたんだ。でも嘘だと否定して欲しかった
あの時、車が土砂に呑み込まれて行く瞬間、父さんと母さんは俺に抱きついてきて言ったんだ

「大翔、バスケ頑張れよ。おまえを愛してる」

「大翔、生きなさい。私達の分まで。愛してるわ。あなたわ私達の自慢の息子...よ...」

父さんと母さんは笑いながら眠った

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