大切なヒト

「あっ、そぅだ、柚。あのね、こいつ...」
柚(ユズ)とは私のことだ。
柚依の『柚』がユズとも読むから、だそうで。
そしてハナいわく「ユズのがなんか可愛いじゃん。」らしい。

「俺は、立花秀晴。よろしくね、...えっと」

ハナはこいつの事を紹介したかったらしいが本人に先を越されている。

「柚依です。藤川柚依。みんなは柚って呼ぶけど...」

ちょっと焦ってる自分が自分でもおかしかった。

「藤川さん。」



笑った



立花秀晴と名乗った彼はものすごく綺麗に笑った。





これが僕とハルの出会いの始まり。