君が欲しいけど……






そんな幼なじみであまり話さなくなった舞

そのはずなのに……

なんで今舞が話しにきたのか分からない

「ねぇ、ちょっといい?」

今更何を言われるのかと戸惑ってしまう

「私、協力して欲しいんだぁ〜」

持ち前の可愛い声で、そう言ってきた

「なにを?」

わけがわからなくて尋ねた

今更何を頼みに来たのか……

「あのね、実は斜め後ろの蓮くんいるでしょ?」

嫌な予感しかない

「あのね、えーと……」

もっと嫌な予感

言わないで欲しい

この予感が当たらないで欲しい

「えっとね、す…すきなんだぁ」

嫌な予感的中

私はもうダメだと思った

「そーなんだ」

平静をよそおったふうにいう

そうするしかないから

「手伝ってくれるよね?」

押し付けがましいよ…

嫌だって言わないと…でも…



【キーンコーンカーンコーン】



チャイムがなった

助かった!

でも返事はしなきゃだよね

本当は嫌だって言いたいけど…

私には勇気がないから

「ごめん。授業始まるからあとでね。」

そう言って逃げるしかなかった
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