君が欲しいけど……
──授業中

私は頭の中がごちゃごちゃになってる

また?

また同じことが繰り返されるの?

もう嫌だよ……

辛いばかりなの

都合のいい時だけ利用しないで欲しい

そう思って蓮を見た

彼はノートをとっていた

その横顔は整っていて、綺麗

しばらくの間見とれていたら……

「千田ー?お前どこ見てるんだー?」

先生の声にはっとしてまわりを見るとみんなが私を見ていた

蓮も……

「先生、具合悪いので保健室いってきます」

恥をかきたくないのと、舞とこのあとしゃべりたくないのとで、私はとっさに嘘をついた

精一杯の嘘

先生は

「そうか。早く行って来い」

とだけいった
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