訳あり少女



『そうか』




作れ終えた料理を運ぼうと色葉に背中を向けた


ギュゥゥゥ



「っっ!」




『なっ!?おい、大丈夫なのか?』



「だい…じょ、ぶ…っ」



なんと、色葉に後ろから抱きしめられたのだ



『大丈夫じゃないだろ。無理しなくていい』




「…お、れはっお前を…っ…みと、める!」




『っ…そうか、ありがとな』




抱きしめられたままの状態で向きを変える


さすがにそれは無理だったのかビクッと反応した色葉




「っ…劉…鳴、ちゃん?」



私が頭を撫でると目を見開いた


でもそんなのお構い無しに


『ありがとな』




そう言うと顔が真っ赤に染まった




…なんだ?


訳がわからず首を傾げると更に赤くさせ、耳までも赤くなった



「劉鳴ちゃ、わらっ…」




今度は私がびっくりした


どうやら無意識だったようだ




…あ。



『色葉、早くご飯持っていくぞ。冷めちまう』




「え…あ、あぁ」
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