訳あり少女
この女、危険だ

俺の大切な人達が危ない


そう思った



だから俺は追い出そうとした



この女も抱けば満足するだろうと。軽く考えていたんだ




劉鳴ちゃんがご飯を作りに料理室へ消えて行った




「ねぇ、どうしてあの子ここにいるの?
何で嶺二達は普通に喋ってるの?
俺、不思議で仕方ないんだけど?」



最後は可愛らしく首を傾げてみる




「なーちゃんは特別!俺も平気だったんだ!!」



わかってはいても驚いた


楝が、こんなにも嬉しそうに目をキラキラさせながら話すとは思わなかったから



「…へぇ。楝でも平気、かぁ。ふぅん」




「まぁ、認めたのは楝だけじゃねぇけどな!」



「お前は眼中に無いからそーゆーの興味ないだけだろ、迅」



迅はこう見えても周りに興味がない


誰にでも気さくに話しかけて仲良くするが上辺だけ

誰が姫になろうとどうでもいいだけだ



「ははっ、まぁな!
でも、総長が気に入っちまったからな」



「嶺二、本気か?」


嶺二が人を気に入る事はまずないからありえないとは思うんだが……
俺のこの考えもすぐに打ち砕かれる



「あぁ、本気だ。俺はあいつを姫にする」



…あの嶺二にここまで言われるとは


そんなに凄い子なのかねぇ、劉鳴ちゃんて

少なくとも俺には見えない…かな
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