訳あり少女


まぁ別に嶺二が気に入ろうが楝が平気だろうがどうでもいい


あの子が出て行ってくれさえすれば、全てが丸く収まる



さて。行きますかね



ふっ。俺はいつまで汚れ続ければいいんだかな




まぁ、あいつらのためならそんなのどうってことないけど



うまくいくと思ってた。追い出せると
そう思ってた




だけどこの子は違ったんだ



俺が誘っても頬を染めるどころか眉一つ動かさない



…なんだ、この子




やけくそになり強行突破しようとした


が、またも失敗



いつぶりだろうか。俺が素で話すなんて




最近ではあいつらの前でさえ、素で話せなくなっていた



劉鳴ちゃんも相当苦労してきたはずなのに



俺だけが。俺達だけが苦しい思いをしてるような言い方をして、劉鳴ちゃんを傷付けた



劉鳴ちゃんは、俺達よりも闇が深いんだ



希領に入って4年は経つかな


あいつらに過去を話したのは幹部になった時

中3で入って卒業と共に幹部になった


その時、初めて他人の前で泣いたんだ




それからはぱったり泣かなくなった

弱みさえ見せなくなった


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