訳あり少女
会計を済ませて外へ出ると、颯志を乗せたリムジンが止まっていた



中にはニコニコ顔の楝と色葉

…そんなにいい買い物したのかな?



「なーちゃんにパジャマ買ったんだー♪♪
お風呂からあがったら着てね!」



『私の?まぁ、わかった』



運転手にマンションの名前を告げると一瞬驚いた顔をしたが、すぐにわかりましたと言って向かってくれた



「なーちゃんの住んでるところってどこなの?」



『つけばわかるよ』


「着きました」



そう話しているとすぐに着いた

…おかしいな。みんなの家行ってそれから私の家だったはずなんだけど……まぁいいか



それぞれ荷物を持って降りる


『ここだよ』


「え…なーちゃんこんなとこ住んでるんだ!?」
「…でか」


楝と色葉の驚いた声が聞こえる


それもそうだ


都内で一番と言っていいほどの高級マンションに住んでいるのだから



『驚くのはまだ早いよ』


そう言いながらエレベーターに入りボタンを押す



「さ、最上階…!」


「お前マジで何者だよ…」



嶺二に至っては呆れている



チン

エレベーターの軽快な音が最上階に着いたことを表す


『少し歩くからね』



ドアは部屋の真ん中にあるので、少し歩かなければならない
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