訳あり少女
それから俺は彼女に言われた事も忘れて暴れまくった




族は崩壊寸前。元総長でさえ俺を止められなかった




いっそこのまま暴れまくって死にたいとも思っていた



そんな毎日を送っていた時



その日も俺は売られた喧嘩を買って暴れていたんだ


いつもは途中で殴るのをやめるのにやめなかったんだ




その日は彼女が死んで一年経った日だった






どうしようもなく自分を責めて自分自身を止められなかった




何も考えられなくなり無我夢中で相手の顔を殴っていた時



パシッという乾いた音が聞こえて誰かに止められたんだ




『……そいつ死ぬぞ』




地面を這うように低いはずなのに何故か通るその声





振り返りそいつを殴ろうとしたが当たらなかった




その後も何発か殴りかかったが全て避けられる




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