続★俺だけの家政婦さん
そのまさかは的中した。

物語は香織と圭介の現在から始る。

二人は挙式を1週間後に控えた恋人同士だった。


「マジか」

既に私の口は大きく開いていた。

だって結婚って･･･ありえないでしょ～

って言ってもフィクションだしね。と自分に言い聞かせながら

話を進める。


二人がここまでに至るにはかなり時間がかかった。

お互いに好きなのに本当の気持ちを打ち明ける事が出来ずにいた。

その原因となったのがさかのぼること10年前の

高校時代。

圭介は学校一の人気者でしかもイケメンという設定で

事実に近いものだ。

相手の香織は全然目立たない圭介のクラスメイトという設定だった。

ほとんど接点のなかった二人だったが、同じ委員会に入ったことで

話す様になった。

だが、圭介は女子からの人気も凄く、いつも彼のまわりには

女の子達が群がっていた。

そのため、話す事が出来るのは委員会の時だけだった。

元々、香織は圭介に特別な感情を持ってなどいなかった。

というよりは恋愛の対象にも入れていなかった。

だってどう考えても不釣り合いだとおもっていたからだ。

だがある日、図書委員の仕事で帰りが遅くなり、初めて

一緒に帰ることになった日に

圭介から思いがけない事を言われるのだった。

『香織と話していると安心するし、素でいられる』

この圭介の何気ない一言が香織の心に変化をもたらした。

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