続★俺だけの家政婦さん
「いやいや、都合よく勘違いしたんだよ!」
と読みながら一人ツッコミを入れる私だった。
しかし、須郷先生にはあの黒歴史の事をざっと簡単に
説明しただけなのに
設定は多少違うものの話の流れは事実にかなり近く
このあとの展開は読まなくてもわかる。
正直あの時のことを思い出してしまいそうで読みたくないくらいだった。
香織は、圭介の一言がきっかけで
今まで恋愛の対象じゃなかった圭介のことを次第に好きになっていた。
だけど、そのことを圭介に言うつもりはなかった。
叶わぬ恋だとわかっていたからだ。
だがそんな二人に転機が訪れた。
その日は図書委員の当番の日だった。
受付の仕事をしていると女の子が圭介の前に立った。
彼女は隣のクラスの倉田美保。かわいくて男子にも人気のある女の子だった。
倉田は圭介の前に立つといきなり
「野田くんの事がずっとすきだったの。お願い私と付き合って」
と隣に香織が座っているにもかかわらず堂々と告白したのだ。
自分に自信がなきゃこんな公開告白などしないだろう。
だが、圭介はとんでもないことを口にしたのだ。
「ごめん。俺好きな子がいるんだ」
驚いたのは倉田だけではなかった。隣に座ってる香織も
驚きを隠せず目を見開き圭介を見た。
「嘘?!誰?野田くんの好きな子って誰?」
香織もその相手が気になって仕方がなく圭介をまじまじと見る。
すると圭介の視線が香織を捕らえた。