続★俺だけの家政婦さん
そう思ったら何だか泣けてくる。

気がつけば目頭が熱くなっていた。

ヤバい!こんなとこで涙なんか見せたらまたいじられる。

私はしたを向いたまま立ち上がった。

だが、同時に私の腕を野末くんが掴んでいた。

「おい!泣いてんのか?」

自分の意思に反して涙が流れていた。

「な、なんでもない。まだ眠たくてあくびしたら涙が出たのよ」

咄嗟に言い訳したが

信じてくれるわけもなく理由を問いただされるが

言ったところでどうにかなるわけじゃないのはわかってるのに

言えるわけがない。

それよりも一人になりたかった。

だから掴まれてる腕を放してほしくて引く。

だけど野末くんは手は離してくれない。

それどころか野末くんが心配そうに私を見ている。

「本当に?」

どうして?

どうして急に優しくなってんの?

今まで一度だってこんな表情みせた事なかったのに

おかしいよ。それに調子が狂う。


「ちがう本当に何でもないから。ごめん、ちょっと休んでくるね」

私は野末くんの手が一瞬緩だすきに腕を引くと

逃げるように自室に入った。


もう~

なんなのよ~~!

須藤先生の原稿読み終えたときから

野末くんの様子が違う。


やっぱり・・・『恋待ち草』読ませるべきじゃなかったかも。
< 136 / 181 >

この作品をシェア

pagetop