続★俺だけの家政婦さん
最初で最後のラブレター side野末
「ここが、先生の母校ですか」
「そう・・・」
担当の小島と俺と、栞里の母校である県立N高校に来た。
卒業以来だから7年ぶりだ。
まさか、取材でここに来るとはね・・・
丁度期末テストの真っ只中で、生徒はお昼で下校しており
ほとんどの生徒はいなかった。
来客用の駐車場に車を止めると正面玄関へと向かう。
小島がインターフォンを押し名前を言うと
長身の白髪交じりの男性が現れた。
「教頭の田島です。作家の野-」
「田島先生?」
「ん?あれ?どこかで見たことのある・・・」
「野末です。野末芳行です」
挨拶をすると田島先生は目を丸くして驚いていた。
「野末か~~。いや、君が野島景だったのか。これは驚いた」
「先生、このことはここだけの秘密にしてください」
すると田島先生は「わかった、わかった」と言いながら
俺たちを校長室へと案内してくれた。
生憎、校長は不在だったが、事前に取材の件は話してあったので
田島先生から校内の平面図をもらいながら、近況を報告した。
「図書館や教室で勉強している生徒がいるかもしれないが
気にせず見学して行ってくれ」
「ありがとうございます」
ソファーから立ち上がると一礼し、校長室を出た。