続★俺だけの家政婦さん
廊下に出ると小島が「どこからまわりますか?」と言いながら平面図を見ていた。

「図書室だけでいいんだ」と答えた。

今日、ここに来た目的は物語のポイントになる図書室だった。

「え?教室とか、他の特別教室とか・・・保健室や校庭とか見なくていいんですか?」

小島が不思議そうに問いかけてきたが、見なくて言いと言うと

平面図をポケットにしまった。


図書室は本館の2階の突き当たりにある。

校長室を出て右側の階段を上がる。

途中、踊り場で女子高生2人が座りながら教科書を広げていた。

俺と目が合うと教科書で目から下をさっと隠す。

え?なんで?と気にはなったものの階段を上がっていると

小島が、女子高生にもモテモテですね。と口元を緩ませた。

「は?なわけないよ。あからさまに教科書で顔を隠したんだよ?」

と言い返すと小島は前を向きながら

「あれは照れですよ。かなり先生をガン見
してましたけど?」


わからんな~女って・・・


首を傾げながら階段を登り2階につくとすぐ右手が図書室だ。

戸は開いており、窓も全開でカーテンがゆらゆらと風になびいている。

思わず「なつかしいな」と呟いていた。
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