続★俺だけの家政婦さん
取材を終え、小島を会社まで送って帰宅すると

栞里の靴はあったが姿が見えない。

栞里の部屋をノックしたが反応がないため

そっとドアを開けると栞里はベッドの上で寝ていた。

2度名前を呼んだが全く反応がない。完全に熟睡している。

栞里の寝顔を見ながら

『今なら触れられる』と心の中の自分が囁いた。

こんなこと絶対にフェアじゃないとわかっているが

目の前で好きな女性が無防備に寝ていたら触れたくなるだろ~。

と自分のしようとしすることを正当化しつつ

ゆっくりと手をのばすと、栞里の横に印刷物を発見。

俺は伸ばした手を栞里ではなく印刷物へ・・・

そして印刷物を手に取り表紙をみて、目が点になった。


なんだ?これは・・・

須藤の作品らしいが、なぜこれを栞里が持ってんだ?

俺は須藤の原稿を持ってリビングのソファーに寝転びながら

もの凄い勢いで読んだ。

そしてその内容にまたもや目が点になった。


「あいつ、透視でもできんの?」

あいつの書いた短編の内容は、半分当たっていた。

どうしたらここまでの話が書けるのか?と思ったが

栞里が読んでいることから恐らく、あいつが栞里に

いろいろ聞いてこの話が出来上がったのだろう。

だけど不思議と怒りはなかった。

栞里がこれを読んだことで再び俺を意識するきっかけになってくれれば

と思ったぐらいだ。

もちろん、俺の今書いている話の方がよりリアルで

俺の気持ちが伝わると思う。

これが書き上げたらまず最初に栞里に読んでもらう。

栞里の為だけに書いた。

最初で最後の俺のラブレター(小説)を・・・・

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