続★俺だけの家政婦さん
それからの2週間が過ぎた。

野末くんは前にも増して書斎に籠もっている時間が多くなった。

ご飯は3食とるものの、リビングのソファーでくつろぐ姿も

なくなり

私との会話も、挨拶とご飯の支度が出来たと呼ぶ程度。


私は・・・と言うと日々悶々としている。

『そろそろ本気だそうかなって思ったかな』

須藤先生の短編を読んだ野末くんがぼそっと呟いた言葉が

頭から離れない。


あの時は何だか頭がこんがらがって冷静じゃなかったが

よくよく考えてみれば野末くんには元々好きな人がいるんだった。


本気でアタックしようとしているのはきっとその好きな人だろう。


知ってどうなるわけでもないけれど・・・

やっぱり今書いている小説を書き終えたら

その人に告白するのかな。

野末くんの好きな人が自分じゃないのはわかりきっているけど

何だろう・・・このことを考えると

胸が締め付けられるような感覚に襲われる。

それがどんな意味を持ってるのか自分でもよくわからない。

また私一人取り残されるのが悲しいのか

それとも・・・

野末くんをここまで好きにさせた人に嫉妬しているのか・・・
< 148 / 181 >

この作品をシェア

pagetop