続★俺だけの家政婦さん
慌てて椅子に座ると目の前にはタンシチューにサラダ、ガーリックトーストにマグロのカルパッチョ

といった洋風メニューがテーブルを埋め尽くした。

「これ本当に野末君が作ったの?」

料理と野末君を交互にみる。

「俺以外誰が作るんだよ」

確かにそうだ。

「レトルトだったりして?」と冗談交じりに言うと

なぜか鼻で笑われた。

でもさ、食べればわかるもんね。

「食べていい?」

「……とりあえず乾杯しようぜ、ビール?それともワイン?」

野末君が椅子から立ち上がった。

「じゃあ…ビールで」というと私に笑顔を向けた。


なんなの?今日の野末君。やさしい、いや、やさしすぎやしないか?

どうしちゃった?調子狂う。

自分の鼓動が意志とは関係なくドキドキしていることに戸惑いを隠せなかった。

 

「とりあえず乾杯しよう。はい、ビール」

「あっ、ありがとう」

缶ビールを受け取ると野末君が座って缶に手をかけたタイミングで自分の缶を開ける。

プシュ、プシュという炭酸の音が時間差で聞こえた。


野末君は缶ビールを胸の高さまで上げる。

私もつられるように缶ビールを持ち、乾杯した。
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