続★俺だけの家政婦さん
「野末くん…」

私も野末くんの背中に腕を回した。

「は~~っ。どうしよう俺…めちゃめちゃうれしい」

「うん」

「栞里がこの家にいる間俺がどんな気持ちでいたか…わかる?」

野末君は私の肩に顔をうずめたかと思うと、顔を上げ私を見つめた。

「抱きしめて、触れたくて…何度栞里の部屋をノックしようとしたか…」

嘘…全く気付かなかった。

驚く私を見ながら野末君は私の頬に手を当てた。

「近くにいるのに凄く遠く感じた」

私は自分の手を野末君の手に重ねた。

「でももう…こんなに近くなった」

「うん」

見つめあう瞳がゆっくりと閉じたと同時に自然と引き寄せられ

私たちは気持ちを確かめ合うように唇を重ねた。


最初に振られた時こんな日がくるなんて思ってもいなかった。

野末君は私の初恋だった。

こっぴどく振られて見返したくてかなりむきになりながら

トレーニングしたっけ。

野末君を視界に入れたくなくて無視し続けたけど

あの時もし話を聞いていたらどんな将来が待っていたのだろう。

そう思うと時間はかかったけど

これでよかったのかもしれない。
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