続★俺だけの家政婦さん
「詐欺師は侵害だね~。俺のお陰でお前いい女になったじゃん。
形の良さそうなヒップだし、触らなくてもわかるすべすべの肌。
みんな俺の一言で奮起したんだろ?それに俺の小説読んで
疑似恋愛楽しんでるんだろう?」

野末くんは私のおしりを確認するように上半身を左側に倒しながら

覗き込むような目で見る。

私は咄嗟に両手でおしりを隠す。

な、何が俺のお陰よ。

ふざけないでよ。

っていうか何で私が野島景のファンだって知ってんの?

眉間にしわを寄せ、顔をゆがめる私を見て野末くんは

ほくそ笑む。

「顔合わせの時お前来なかっただろう?そん時に
所長さんから『ぜーったい引き受けてね』って志願したって聞いたぞ。
しかもその時に『野島さんの大ファンみたいで、もし粗相があったら
連絡ください』って言われたんだよね~」


しまった!

そうだった。私ってば野島景が女性だと勝手に思い込んでたんだよな~

だって世間では野島景の性別や年齢は公表されてなかったんだもん。

今から担当変えられないかな……
< 21 / 181 >

この作品をシェア

pagetop