続★俺だけの家政婦さん
彼女の書く小説の主人公を自分に置き換えて疑似恋愛するの。
物語の中のきゅんきゅんする様な男性の甘い台詞さえあれば
リアルなんていらない。
彼女の作品は全部持ってるし、そのうちのいくつかはドラマ化されたりしている。
先月発売された『隣恋(りんこい)』は隣に越してきた若手俳優と田舎から上京
してきた女の子とのドキドキの恋愛もので、私は物語の中の若手俳優に
本気で恋をしていた。
そんな感じだからお客様と恋愛関係に陥る可能性はない!
と断言できる。
「栞奈です」
「どうぞ」
ドアを開け中に入ると所長はデスクに座りながらタブレットを操作している。
所長と目が合うとソファーに座るよう促された。
「高橋様へ挨拶に行った?」
「はい。所長によろしくって……」
娘だからか話し方は家にいるときと似ている。
「次の仕事なんだけど、前に話しのあった水沢様……あれはとりあえず
白紙になったから」
「え?なんで?」
「なんで?って必要なくなったから白紙になっただけよ。それよりも
新規の依頼があったの」
母の口から『新規』という言葉を聞くのは初めてに近い。
物語の中のきゅんきゅんする様な男性の甘い台詞さえあれば
リアルなんていらない。
彼女の作品は全部持ってるし、そのうちのいくつかはドラマ化されたりしている。
先月発売された『隣恋(りんこい)』は隣に越してきた若手俳優と田舎から上京
してきた女の子とのドキドキの恋愛もので、私は物語の中の若手俳優に
本気で恋をしていた。
そんな感じだからお客様と恋愛関係に陥る可能性はない!
と断言できる。
「栞奈です」
「どうぞ」
ドアを開け中に入ると所長はデスクに座りながらタブレットを操作している。
所長と目が合うとソファーに座るよう促された。
「高橋様へ挨拶に行った?」
「はい。所長によろしくって……」
娘だからか話し方は家にいるときと似ている。
「次の仕事なんだけど、前に話しのあった水沢様……あれはとりあえず
白紙になったから」
「え?なんで?」
「なんで?って必要なくなったから白紙になっただけよ。それよりも
新規の依頼があったの」
母の口から『新規』という言葉を聞くのは初めてに近い。