続★俺だけの家政婦さん
その後、夕食をダッシュで用意し、やっぱり2人で食べ、風呂に入って

9時半頃に全ての業務を終えたが、こんな生活がこれから1ヶ月も

続くと思うと朝までのウキウキした気持ちは完全に消えていた。


でも・・・

私はバッグの中から本を取り出した。

野島景の「隣恋」だ。

ヒーローの若手俳優がヒロインの女の子に囁く台詞に何度

胸がキュンキュンしたか。

それがだよ。まさか、作者が男でしかもあの野末くんだったなんて・・・

ショックが大きすぎるよ。

しかも、今日一日ずーっと嫌みばかり言われて、よくこんな

甘い台詞をすらすらと書けるのだろう。


ここに来るまでは、野島景の執筆している姿を見てみたい。

ファンだって言えば、書き上がった生原稿が見れるかもしれないなんて

浮かれていたけど。

そういった気持ちは封印しなくちゃね。


結局、住込み家政婦1日目の夜は精神的に疲れ、10時半には

眠ってしまった。
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