続★俺だけの家政婦さん
「あの･･･何か、追い出すみたいになってすみませんでした」

須藤先生が玄関で靴を履くその後ろで私は申し訳なさそうに立っていた。

「家政婦ちゃんが謝る必要はないよ。野島っちはいつも
あんな感じだし、僕は反応を楽しんでいるだけ。でも今日は特に
楽しかったよ」

「え？」

なんであんなやりとりが面白いと思うのかわからない。

首を傾げる私に須藤先生は書斎の方に視線を向けると再び私を見る。

「野島っちの新たな一面が見れたからね～～」

「そうなんですか･･･」

「それに～」

「はい･･･」

「なんでも自分でやっちゃう野島っちが住込みの家政婦を雇うのって
何か特別な理由があるんじゃないかなって思ってね？」

須藤先生が口角をぐっと上げた。

本当は取材を兼ねてるんだけど、二人はライバルと言われてるから

何も答えなかった。

そして須藤先生が引き戸に手をかけると振り返った。

「あっ！忘れてた。家政婦ちゃんの名前教えて」

「竹原栞里です」

「･･･栞里ちゃんね。今度絶対デートしてね」

私は返事はせずにお辞儀をした。
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